教養ゼミ(エンパシーを考える)
李 孝徳 
単位: 2 開講期: 2期 開講年度: 2024
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【授業表題】
エンパシーを考える
【授業の形態・方法・内容】
【授業の形態・方法】
この授業は指定テキストを購読して授業を進めていく演習形式で、担当章についての発表、発表を踏まえたディスかション、グループワーク、レポートの執筆を⾏います。manabaを併用しますので、当該のコースを必ず確認するようにしてください。

【授業の内容】
この教養ゼミには2つの目的があります。ひとつは現代社会における共生において必要なエンパシー empathy(相手の立場になって考えや感情を想像する力)について、社会的な差異――言語、ジェンダー、セクシュアリティ、人種・民族、階級(格差や労働)など――の観点から具体的な題材(指定テキスト)の理解と分析を通じて学ぶことです。
本授業の指定テキストはブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1・2』新潮社の2冊です。受講生は指摘テキストの2冊を受講にあたって各自入手しておく必要があります(単単行本版、文庫本版、電子書籍版のいずれでも構いません)。
ふたつめは、そうした理解と分析を踏まえて、多様な立場の人々とディスカッションを行い、思考力や分析力・読解力、意見の構成力や表現力、コミュニケーション能力等を養うことです。
授業は、各受講者が毎回担当する章のレジュメ(ハンドアウト)を作成して発表し、その発表を受けて受講生同士でディスカッションを行う形で進めていきます。教員(李)は受講生の報告・ディスカッションに関して適宜フィードバックを行います。最終的には授業での学びを踏まえて指定テキストについて学期末レポート作成して提出します。
【到達目標】
現代社会において共生する人々の「差異」と「多様性」について理解しながら、エンパシー(相手の立場になって考えや感情を想像する力)について考え、錬成することで、他者の意⾒に⽿を傾け、対話を通じて理解を深めるものです。同時に、自らの考えや意見を他者に向けて理解してもらえるように、筋道を立てて説明できるようになることを⽬指します。
【この授業科目とディプロマポリシーに明示された学修成果との関連】
(全学 DP1)社会科学に関する専門知識・能力
(全学 DP2)幅広い教養と外国語に関する基本的な知識・能力
(全学 DP3)現代社会における諸問題あるいはさまざまな学術研究分野における諸問題を発見・分析・解決する実践的な知識・能力
(全学 DP4)上記の知識・能力に裏付けられた総合的な判断力と行動力
【事前・事後学習】
・授業で扱う題材について、疑問点や自分の考えを整理しておくこと。
・報告にあたっては報告用レジュメを事前に作成して提出し、発表の準備をしておくこと。
・なお、「学則」上、この科目は「演習」科目にあたるので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度になります。
【授業計画】
第1回 授業のオリエンテーション
第2回 購読のためのイントロダクション①
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1・2』新潮社を
輪読していくにあたって。
第3回 購読のためのイントロダクション②
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1・2』新潮社を
輪読していくにあたって。
第4回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
1 元底辺中学校への道
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
第5回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
第6回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
第7回 ディスカッション:社会的差異(人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティ)について考える
第8回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
第9回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
第10回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』):
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン

購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』):
1 うしろめたさのリサイクル学
2 A Change is Gonna Comme―変化はやってくる
第11回 ディスカッション:「移民」について考える
第12回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』):
3 ノンバイナリーって何のこと?
4 授けられ、委ねられたもの
5 ここだけじゃない世界
第13回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』):
6 再び、母ちゃんの国にて
7 グッド・ラックの季節
8 君たちは社会を信じられるか
第14回 購読する章(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』):
9 「大選挙」の冬がやってきた
10 ゆくディケイド、くるディケイド
11 ネバーエンディング・ストーリー
第15回 授業の振り返り
第16回
第17回
第18回
第19回
第20回
第21回
第22回
第23回
第24回
第25回
第26回
第27回
第28回
第29回
第30回
【評価方法】
1.各回の報告資料の作成と発表(40%)
2.討論への参加度と貢献度(30%)
3.学期末レポート(30%)
上記の合計点(100%)によって評価します。定期試験は⾏いません。
【教科書】
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 1』新潮社
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』新潮社
※単行本版、文庫本版、電子書籍版のいずれでも構いませんが、受講にあたっては必ず事前に入手しておいてください。
【参考文献】
その他のプレイデイ・みかこの著作。特にプレイデイ・みか子『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』文芸春秋社など。
【特記事項】
各回の発表とディスカッションは必須です。また相互の討論を重視するので、自分の報告だけでなく、他の受講者の報告についても意見を述べられるように事前準備しておく必要があります。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 木3 李 孝徳