総合教育ワークショップ(哲学)(2期)
麻生 博之 
単位: 2 開講期: 2期 開講年度: 2022
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【授業表題】
古典にそくして「哲学」する
【授業の形態・方法・内容】
(1) 基本的な形態
・基本的には,広い意味での「ワークショップ」形式の授業となる。したがって,毎回の授業で「ワーク」を課すことになるが,講義のようにレクチャーを受ける時間も少なくないので,その点に注意すること。
・「対面授業」(「対面」のみの参加形式の授業)を予定する。(なお,学期途中等に「遠隔授業」への変更を余儀なくされた場合の授業形態については,後述する。)

(2) 内容・方法
 西洋哲学の「古典」といえるテキストの一節にそくしながら,哲学のいくつかの基本的問題について考える。実際にとりあげる古典と問題については「授業計画」を参照していただきたいが,古代ギリシアのソクラテスやプラトンから20世紀のハイデガーやサルトルまで,さまざまな哲学者の古典的なテキストから重要な考え方や視点をとり出し,なるべく一般的な問題に関連づけることで,一人ひとりが自分の問題として考えてみることを目標としたい。
 毎回の授業の基本的な進め方としては,まず導入として,その回にとりあげるテキストと問題についての簡単な確認を行ったうえで,資料等にもとづき詳しい説明を行う。そのうえで、若干のディスカッション等を行い,最後に小レポートととりくんでもらう。なお,この小レポートについては,次回の授業の最初に,一部の紹介とそれに対するコメントの提示,また(なるべく)それをもとにした若干のディスカッションを行うつもりである。
 また,2期の最後には,「成果発表」として少し長いレポートを仕上げ,発表してもらうことを予定する。なお,その発表時のやりとりをもとに,レポートをブラッシュアップし,授業終了時に「論集」としてまとめることも考えている。
 なお,この授業の履修者として基本的に想定しているのは,「哲学」に興味のある人である。(逆に,そもそも哲学的な議論に関心のない人,「リクツ」を好まない人,論理的な文章を読んだり書いたりすることに興味のない人等には向かない。)

(3)〔補足〕遠隔授業に変更される場合の授業形態
〔基本的に「対面授業」を予定しているが,感染症の拡大等によって遠隔授業への変更を余儀なくされた場合の授業形態について,あらかじめ記載しておく。〕
・基本的な形態:最初はA型(manabaの使用)で開始するが,(履修者全員のネット環境と端末が十分であることが確認できれば,)なるべく早い段階で,C型(Zoomを使用したリアルタイムの授業)に移行する。(ただし,回によってはA型とC型を組み合わせる等の形態もありうる。)
*【重要】毎回のワークの関係で,(スマートフォン等ではなく)PCを使えることが望ましい。
【到達目標】
・自分の考え方やものごとの見方を問いなおし,現実に対する新たな視点を獲得すること。
・毎回のワークやディスカッション,レポートの作成・発表等を通じて,批判的・論理的に思考する力,説得力のある議論を構成する力を身につけること。
【ディプロマポリシーとの関連】
・この科目は,「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための科目である(「全学DP2」)。
【事前・事後学習】
・授業でとりあげた問題や考え方について,授業で扱った資料や関連する文献を読む等して,自分の考えを深めること。
・報告やレポートの発表に向けて,レジュメやレポートの準備・作成を行うこと。
(・なお,「大学設置基準」上,この科目は「演習」科目にあたるため,授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度ということになる。ただし,人によって異なることはいうまでもない。)
【授業計画】
第1回 ガイダンス
第2回 「もっとも知恵がある」とはどのようなことか?――ソクラテス:「無知の知」をめぐって(プラトン『ソクラテスの弁明』より)
第3回 善さや正しさは人・時代・社会によって「異なる」のか?――プラトン:「相対主義」批判をめぐって(『テアイテトス』より)
第4回 他人と「共同」することは人間にとってどのようなことか?――アリストテレス:「ポリス的動物」をめぐって(『政治学』より)
第5回 「死」は恐れるにあたいするものか?――エピクロス:「死の無害説」をめぐって(「メノイケウス宛の手紙」より)
第6回 「絶対に疑いえないこと」とはどのようなことか?――デカルト:「われ思う,ゆえにわれあり」をめぐって(『方法序説』より)
第7回 「善さ」と行為の「結果」とはどのような関係にあるのだろうか?――カント:「義務論」をめぐって(『道徳形而上学の基礎づけ』より)
第8回 「自由」にとって「他人」とのかかわりはどのような意味をもつか?――ヘーゲル:「共同」としての自由をめぐって(『法哲学』より)
第9回 「生きる意味」はあるべきだろうか?――ニーチェ:「ニヒリズム」をめぐって(『力への意志』より)
第10回 人間が生きるうえで「死」はどのような意味をもつか?――ハイデガー:「死へかかわる存在」をめぐって(『存在と時間』より)
第11回 自分の「心」は自分にしかわからないのか?――ウィトゲンシュタイン:「独我論」批判をめぐって(『哲学探究』より)
第12回 「どうしようもないこと」は本当にあるだろうか?――サルトル:「全面的な自由」をめぐって(『存在と無』より)
第13回 「他者」とかかわるとはどのようなことか?――レヴィナス:「応答」としての「責任」をめぐって(『全体性と無限』より)
第14回 成果発表1
第15回 成果発表2
【評価方法】
授業内のワーク(小レポート等)〔50%程度〕,レポートや報告資料の作成・発表(「成果発表」)〔40%程度〕,授業への参加度〔10%程度〕等を総合して評価を行なう。(なお,レポートはいずれも「内容」を重視する。)
【教科書】
必要がある場合は,授業開始時に指示する。
【参考文献】
授業中にそのつど紹介する。
【特記事項】
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 水2 麻生 博之