多様性社会における心理支援を学ぶa(特別講義)
野田 淳子、寺島 瞳 
単位: 2 開講期: 1期 開講年度: 2022
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【授業表題】
心理支援の基礎
【授業の形態・方法・内容】
 この授業は“人を心理的に支援する”というテーマのもと、社会に存在する様々な立場の人々に焦点を当て、「多様性(ダイバーシティ)社会」の実現について深く考えることをねらいとしています。「多様性(ダイバーシティ)社会」の実現は、現在、企業や組織マネジメントのみならず、社会で幅広くその意義が注目されている営みです。本来それは特別なことではなく、さまざまに異なる人々が関わり、支え合って社会が成り立っていることを意識し、他者を尊重し受容する関係性や、それが可能になる環境を造り上げることがその基本となっています。これを“人を心理的に支援する”という心理学の視点から捉え直すことは、あらゆる立場の人とのコミュニケーションの可能性を切り開き、新たな価値や創造性を生み出す原動力となると考えています。
 Ⅰ期の授業においては、様々な人との関わりがどのような意味で必要であるか、他者と協働しうる良い関係をどのように構築できるかという問題について、心理・臨床的な基礎という視点から考えるだけでなく、カウンセリングやアサーションの実践、ゲスト講師とのやりとりなどをもとに、体験的に学んでいきます。このような学びは、多様化する社会を生き抜く「社会人の基礎力」となるばかりでなく、多様化・複雑化する現代社会を生き抜くうえで、重要な資質を培うものと考えています。ワークショップ型の授業を目指しているため、講義形式の座学だけでなく、可能な範囲でグループワーク(ディスカッション)や発表(シェアリング)といった活動も行いながら授業を進めて行く予定です。したがって、授業に3分の2以上出席していることを単位取得の最低条件とします。遅刻や欠席が多いと、単位取得が極めて難しいと心得て履修してください(1〜3年生の履修を推奨します)。
 なお、万が一学期途中に遠隔授業に変更された場合は、manabaを利用したA型(配信された講義資料などに基づいて学習するもの)に加えて、B型( 授業内容に応じて録画した動画を配信する )もしくはC型(オンライン上でリアルタイム・双方向でやり取りを行う)の形式で授業を実施する予定です。 
【到達目標】
 授業のテーマは、「関係性」(人と人との関係)を土台にした心理(学)的支援です。つまり、人と人との良い関係性を築くことによる相互の心理支援(支え合い)、すなわち支援される側だけでなく支援する側にとっても学びや成長があり、そうした経験を通して精神的成長につながるような支援の在り方を学ぶことを目標としています。
【ディプロマポリシーとの関連】
この科目は、「教養」に関する「基礎的な知識と能力」を身につけるための科目です(全学DP2)。
【事前・事後学習】
事前学習として、次回の授業に関するテーマに関して、これまでどのような経験をし、どのような考えや思いを持っているかを振り返った上で授業に参加して下さい。具体的な宿題を課することがあります。事後学習としては、授業で学んだことを復習しまとめておいて下さい。「大学設置基準」上、この科目は「講義」科目にあたりますので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度となります。なお、各回に提出するレポート等の課題には、全体的なコメントをフィードバックします。
【授業計画】
第1回 ガイダンス
第2回 支援とは(1)心理支援の諸側面
第3回 支援とは(2)危機にある人への支援
第4回 支援とは(3)セルフ・ヘルプ・グループにおける支援
第5回 支援的コミュニケーションと自他理解(1)アサーションと自己理解
第6回 支援的コミュニケーションと自他理解(2)共感と傾聴と他者理解 1
第7回 支援的コミュニケーションと自他理解(3)共感と傾聴と他者理解 2
第8回 支援的コミュニケーションと自他理解(4)共感と傾聴と他者理解 3
第9回 支援的コミュニケーションと自他理解(5)共感と傾聴と他者理解 4
第10回 支援的コミュニケーションと自他理解(6)共感と傾聴と他者理解 5
第11回 困難な状況における心理支援(1)障害とともに生きる
第12回 困難な状況における心理支援(2)「視覚障害」からみた世界
第13回 困難な状況における心理支援(3)家族関係と心理支援
第14回 困難な状況における心理支援(3)家族の心理支援の現場から
第15回 学びの振り返りとまとめのセッション

【評価方法】
授業参加状況と各回の授業レポートや宿題(80%)、及び、第14回に提出するまとめのレポート(20%)で総合評価します。
【教科書】
使用しません
【参考文献】
授業時に参考資料・文献を適宜紹介します。
【特記事項】
・この授業は、昨年度の総合教育ワークショップ(心理支援:基礎)「多様性社会における心理支援を考える(心理支援:基礎)」とほぼ同じ内容です。
・ゲスト講義も複数回予定されていますが、予定については授業時にお知らせします。
・毎回の授業テーマに沿ったワークや宿題に取り組んで頂きながら授業を進めるため、遅刻や欠席が多いと単位取得が極めて難しくなります。そのため1〜3年生の履修を推奨するとともに、授業に3分の2以上出席していることを単位取得の最低条件とします。
・人とのコミュニケーションが得意でないという方も歓迎です。体験学習やグループワークの際に無理なく互いにコミュニケーションができるような雰囲気づくりをしたいと考えています。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
1期 火4 野田 淳子