英語で学ぶ教養

早尾　貴紀

単位： 2 開講期： ２期 開講年度： 2022

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【授業表題】
ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの（Feminism is for Everybody）』を英語原文で読む
【授業の形態・方法・内容】
この授業は、ゼミ形式です。原則教室にて対面授業で実施します。 　学生が順番に担当者となり、発表し、全員で討論します。 　昨年（2021年）に亡くなったアメリカ合衆国のベル・フックス（bell hooks）によるフェミニズムのコンパクトな入門書『フェミニズムはみんなのもの（Feminism is for Everybody）』を英語原文で読んでいきます。ベル・フックスは、ブラック・フェミニストとして、性差と人種と階層との複合的な差別構造を丁寧に論じながら、それを批判し乗り越えていくための努力を訴えた先駆者でした。最近になって、そうした複合差別を論じる視点として「intersectionality（交差性）」という概念に注目が集まっていますが、そのような呼び名が作られるずっと前から、ベル・フックスは性差と人種と階層との複合的な視点を明確に打ち出していました。 　現代日本社会においても、フェミニズムへの注目が上がる一方で、それに対するバックラッシュ（反動）も起きつつ、また格差社会の階層分裂の深化と、移住労働者の増加による人種差別問題の多発とが、同時に起きており、この問題がまさに複合差別として論じられなければならない局面にあります。 　この授業では、ベル・フックスによる名著の入門書『フェミニズムはみんなのもの（Feminism is for Everybody）』を英語原書で読みながら、複合差別について学んでいきます。 　授業内での発表について、その都度、授業内でフィードバックを行ないます。 ※注意 感染状況等により大学が遠隔授業に切り替える判断をした場合は、基本的にリアルタイムzoomで行います（Ｃ型）。
【到達目標】
性差別、人種差別、階層格差とが複合する社会構造について、英文で読んで理解できるようにする。その知識と英語力を基礎として、各自がそれぞれの問題関心・視角からさらに英語文献を読み進められる力をつける。
【ディプロマポリシーとの関連】
この科目は、「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための科目である（全学DP2）。
【事前・事後学習】
課題の英文は必ず事前に読んで辞書で調べて、文章全体の意味を把握する。理解できたと思えるまで熟読再読する。さらに事後にも繰り返し英文を読んで、関連した事柄を調べて知識と理解を増すことも求める。 「大学設置基準」上、この科目は「演習」科目にあたるため、授業時間外に行なう事前事後学習に要する時間は４時間程度となる。
【授業計画】
第1回 ガイダンス（授業の進め方、担当決め） Introduction: Come Closer to Feminism を読む 第2回 1. Feminist Politics. Where We Stand を読む 第3回 2. Consciousness-raising. A Constant Change of Heart を読む 第4回 3. Feminist Education for Critical Consciousness を読む 第5回 4. Our Bodies, Ourselves: Reproductive Rights を読む 第6回 5. Feminist Class Struggle を読む 第7回 6. Global Feminism を読む 第8回 7. Women at Work 読む 第9回 8. Race and Gender を読む 第10回 9. Ending Violence を読む 第11回 10. Feminist Masculinity を読む 第12回 11. Feminist Parenting を読む 第13回 12. Liberating Marriage and Partnership を読む 第14回 13. A Feminist Sexual Politic: An Ethics of Mutual Freedom を読む 第15回 14. Total Bliss: Lesbianism and Feminism を読む
【評価方法】
自分の担当回での発表内容が50％、それ以外の回の参加姿勢が50％。 両方を総合して評価する。
【教科書】
bell hooks, Feminism is for Everybody: Passionate Politics, Pluto Press, 2000 / Routledge, 2015
【参考文献】
ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの――情熱の政治学』（堀田碧訳、エトセトラブックス、2020年）
【特記事項】
教科書の入手方法については初回のガイダンス時に指示します。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期	曜日時限	ペア	教員名
２期	月２		早尾　貴紀