総合教育ワークショップ(課題発見と当事者研究)
大滝 修 
単位: 2 開講期: 1期 開講年度: 2022
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【授業表題】
「課題発見と当事者研究」
【授業の形態・方法・内容】
 授業では、社会的困難(貧困・障害・病気・格差・排除・いじめ・少数者差別等)について当事者の視点から捉え直し、課題改善への学びをめざします。抱える困難を「自己責任」とされてきた当事者の「声なき声」に耳を傾けます。参加者は自己の困難を振返り、当事者の語り(ナラティブ)への共感と尊厳を学びます。グループ学習により、主体的な傾聴・語り・フィールドワーク・発表(共有)の技法を身につけ、当事者研究の理論を実践します。
原則対面授業で実施します。学期途中で遠隔授業(C型)に変更となった場合は、授業の主題に関する課題文章またはワークショップの内容説明文等を送信します。履修者は実施後のレポートを返信します。その内容について添削・アドバイスを予定しています。
【到達目標】
 この授業科目は、社会の「課題の発見と探求及び発信」について基本的な知識と技能を身に付けます。具体的には、次の能力の習得を目指します。
 1.主体的に課題に取り組み、グループで協同して解決をめざそうとする姿勢。
 2.傾聴の技法、ナラティブ・アプローチの知識と技法を習得し、共感的理解ができる。
 3.協同して教室外での文献調査・資料収集・フィールドワークを実践できる。
【ディプロマポリシーとの関連】
 この科目は「教養」に関する「基礎的な知識と能力」を身につ行けるための科目です(全学DP2)。主体的に広範な読書活動と思索・対話を行い教養を高める。当事者研究の理論と実践による人間観・社会観を深めます(全学DP2)。
【事前・事後学習】
 授業の事前学習として、関連図書の読書・情報収集(新聞記事・HP検索)・事前調査への
回答を求める(2時間程度)。事後学習として、グループ・ワーク(分担して調査・インタビュー・新聞・プレゼン資料作成)・報告書や振返り文を作成する(3時間程度)。
【授業計画】
第1回 オリエンテーション 授業の目的と授業の進め方
第2回 「出会い」に学ぶ 参加者の課題意識の可視化
第3回 「社会にある困難」を発見する(KJ法、マインドマップ)
第4回 課題の当事者とはだれか(コラージュ新聞)
第5回 課題の共有 (ヒューマンライブラリー/ブックトーク)
第6回 当事者に出会う(ワールドカフェ/協同学習)
第7回 当事者研究(1) 事例研究「べてるの家」
第8回 当事者研究(2) 傾聴とナラティブ・アプローチ
第9回 当事者研究(3) オープンダイアローグ理論と実践
第10回 探究活動(1) 計画立案(ティームビルディング)
第11回 探究活動(2) フィールドワーク
第12回 探究活動(3) 中間発表(共有と課題の発見)
第13回 発信と共有 表現活動
第14回 探究の振り返り
第15回 授業のまとめと発展学習(スタディツアーの紹介)
【評価方法】
 授業中の課題への取り組み(➀毎回のワークシート(60点)、➁課題提出、➂フィールドノート及びグループ活動記録等)(30点)と、最終課題(10点)の内容を合わせて評価します。
【教科書】
毎回配布するワークシートを完成します。
【参考文献】
熊谷晋一郎『当事者研究』(岩波書店2020年)
べてるの家『べてるの家の「当事者研究」』(医学書院2005年)
斎藤道雄『治りませんように』(みすず書房2010年)
鷲田清一『「聴く」ことの力』(ちくま学芸文庫2015年)
【特記事項】
以下の点を考慮して、履修するか検討して下さい。
1.授業は、毎回グループワークを主体に実施します。講義型授業と試験重視の評価がいい人、授業 
 中に対話(自己を語るナラティブ・ワーク)やワークショップは苦手という方には不向きかも 
 し れません(これらの苦手を克服したい方は歓迎します)。
2.グループの協同学習が主体のため、欠席・遅刻はメンバーの迷惑や負担増になります。
 やむを得ない理由で欠席する場合、事前に連絡してください。欠席4回以上は課題評価も不能となり
 ます。
3.この授業は、総合教育ワークショップ「地球市民と社会参画」と内容的に関連しています。
 総合教育ワークショップを同一年度に二つ以上履修することはできませんが、探究を深めたい方は、
 別年度「地球市民と社会参画」も履修することをお薦めします。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
1期 火2 大滝 修