教職論
高井良 健一 
単位: 2 開講期: 2期 開講年度: 2022
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【授業表題】
教職論―教師の世界を/から学ぶ―
【授業の形態・方法・内容】
 教師という職業は,生徒にとって身近な職業であるが,その仕事の奥行き―難しさと複雑さ―を正確に理解することはたやすいことではない。逆に,この職業は,身近であるがゆえにはじめからわかったつもりになる危険をはらんでいる。そして,現在,教師の仕事はますます重要になるとともに,困難さを増している。こうした状況の中で,教師を志す人たちが確かなヴィジョンをもち,学びの世界に踏み出せるように,この教職論の授業では,教師の世界を内側―教師による語り・教師のライフヒストリー―と外側―教職の社会的位置づけ・社会的使命―から理解することをめざしている。また,授業のなかでは,受講生が主体となり,参加するセッションも取り入れる。公教育における教師の使命は,民主主義社会を担う他者への配慮に満ちた市民を育成することにある。自らもアクティブな市民であるとともに,他者への配慮に満ちた市民を育てるという使命をもった教師たちが,この教職課程から巣立っていくことを期待している。
 本授業は,対面での授業を予定しているが,遠隔授業に変更された場合には,授業内容を録画した動画を使用するB型で実施する。
【到達目標】
この科目は,教員免許状取得をめざす学生たちが,東京経済大学の教員養成目標に掲げる能力を身につけるための科目である。
 ・教師の仕事の奥行きを学び,自らの学びについての謙虚さをもつ。
 ・公正であり,分け隔てのない人格に向けて,自らを育てる。
 ・他者の話を聞き分け,他者のありようを認め,他者の立場を想像し,配慮(ケア)する関係性を育てる。
【ディプロマポリシーとの関連】
この科目では、教職についてさまざまな側面から学ぶことを通して、(全学DP1)社会科学に関する専門知識・能力ならびに(全学DP3)現代社会における諸問題あるいはさまざまな学術研究分野における諸問題を発見・分析・解決する実践的な知識・能力を習得し、その結果、(全学DP4)上記の知識・能力に裏付けられた総合的な判断力と行動力を育成することを目指している。
【事前・事後学習】
 ・これまで出会ってきた教師たちについて振り返り、印象に残っている教師について考えておく。
 ・授業で学んだことを振り返り、教師の仕事について自分が考えたことをノートにまとめる。
 ・毎週の授業に必要な予習・復習時間の目安は4時間程度になる。
【授業計画】
第1回 イントロダクション―印象に残っている教師
第2回 教師の多様性と共通性
第3回 教師になるということ
第4回 新任教師が変わるとき
第5回 教育実習と実習生の成長
第6回 教師の学びと研修―さまざまな学校の取り組み
第7回 教師の一日、一週間、一年
第8回 高校教師のライフヒストリーと実践
第9回 学び合う授業の可能性―ベテラン教師の授業づくり
第10回 多文化社会のなかでの教師の仕事
第11回 教師のレジリエンス(チーム学校運営と同僚性の構築、ケアリング)
第12回 イギリスの教育改革と学校づくり・授業づくり
第13回 イギリスの教育改革と子どもたちのケア
第14回 フィンランドの教育改革と21世紀の知識基盤社会における教師の役割
第15回 まとめ
【評価方法】
平常点(毎回の授業における学習活動と毎回の小レポート、70%)ならびに最終レポート(30%)で評価する。
【教科書】
とくに指定しない。
【参考文献】
秋田喜代美・佐藤学編『新しい時代の教職入門』(有斐閣)
武田忠・伊藤功一著『教師が変わるとき・授業が変わるとき』(評論社)
伊藤功一著『校内研修』(国土社)
高井良健一著『教師のライフストーリー』(勁草書房)
【特記事項】
授業のなかでは,協同でのグループワークも行われる。正当な理由なしにグループワークなどの教職を志すために必要な活動に参加しない場合は,受講の辞退を求めることがある。また,授業中の授業に関連しないスマートフォンの使用などは,ペナルティが課されるので,注意されたい。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 火4 高井良 健一