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 国際社会とダイバーシティa(特別授業) | ||||||
マシューズ ジョエル  | ||||||
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【授業表題】 |
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西洋(欧米)型多文化主義―その背景と現在 |
【授業の形態・方法・内容】 |
この授業は講義科目である。遠隔授業は、manabaを利用したA型で実施します。 近現代の移民社会を形作ってきた概念としての多文化主義はオーストラリアやカナダ、アメリカ合衆国、西欧諸国の社会制度に大きな影響を及ぼしてきた。しかし、ここ数年においてテロリズム、難民受け入れ政策に対する反動という継続する挫折を経験してきたと共に、文化多元主義と平等主義という多文化主義に欠かせない中枢的な理念が非難されつつある。 また、2020年にはコロナ禍に見られた排外主義とそれに対抗して盛り上がったBlack Lives Matter運動は多くの西洋社会を揺らがせ、それぞれの社会的起源であった植民地支配を見つめることになった。 本特別講義では、日本の近現代歴史と社会事情を念頭に置きながら、主要な西欧諸国とカナダ、オーストラリア、アメリカ合衆国それぞれの多文化主義に見られる特徴、政策、歴史的背景、現状、そして近年のダイバーシティに関わる論争や運動についての理解を深める |
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】 |
この科目は、いわゆる西洋諸国社会の現在と歴史に関する基本的な知識を身につけること、現代社会に対して必要で不可欠な現在の政治・経済・社会・文化に対する批判的能力を養うことを目標とする。具体的には、現在進行中の世界の多文化主義・排外主義に対する論争を歴史的な視点から理解すると共に、継続する帝国主義・植民地主義的な過去・歴史(ポスト・コロニアリズム)と現在直面している多文化主義に対する批判・非難という言説を関連付けながら概観することを目指す。 |
【事前・事後学習】 |
学期末試験は授業で説明・解説した内容に関する小論文を書くことになる。そのために毎回の授業で学んだことを整理し復習すること(2時間)。また授業の中で関心を持った内容、理解が不十分な内容については、書籍、雑誌、学術雑誌、インターネットなどで調べておくことが望ましい(1時間)。配布した参考資料はすべて目を通し、授業内で解説された内容との関係を理解しておくこと(1時間)。 |
【授業計画】 |
第1回 ガイダンス・多文化主義は危機に陥っているのか? 第2回 西洋型の「多文化主義」とは何か?日本の「多文化共生」とは何が違うのか? 第3回 近代的帝国主義(1):フランス植民地帝国(啓蒙主義、同化政策) 第4回 映画で見る植民地主義とフランス:『アルジェの戦い』(1966年) 第5回 近代的帝国主義(2):大英帝国(資本主義、分断政策) 第6回 映画で見る植民地主義と英国:『インドへの道』(1984年) 第7回 脱植民地化とヨーロッパ(ファノン、独立戦争、ヨーロッパのアイデンティティ) 第8回 多文化主義への道(1):カナダ(二言語二分化主義、世界初の多文化主義) 第9回 多文化主義への道(2):オーストラリア(白豪主義への反省、先住民族への謝罪) 第10回 多文化主義への道(3):イギリス(UK)(英連邦、EU離脱) 第11回 多文化主義への道(4):フランスとドイツ(共和主義、「Volk」による民族主義) 第12回 アメリカ合衆国の「人種・文化の坩堝」(トランプ政権、Black Lives Matter運動) 第13回 映画で見る多文化主義とアメリカ:『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年) 第14回 9・11同時多発テロ以後の世界情勢(文明の衝突、難民、排外主義) 第15回 まとめと質疑 |
【評価方法】 |
遠隔授業の場合:授業内容への小テスト(5x10%=50%)、学期末課題レポート(50%)で総合評価を行う。試験結果を個別にmanabaでフィードバックする。 |
【教科書】 |
授業時に参考資料などを配布する。 |
【参考文献】 |
塩原良和『共に生きるー多民族・多文化社会における対話』(弘文堂) 塩原良和『分断と対話の社会学』(慶應義塾大学出版会) ウィル・キムリッカ『多文化主義のゆくえ:国際化をめぐる苦闘』(法政大学出版局) |
【特記事項】 |
試験結果を個別にmanabaでフィードバックする。 国際社会とダイバーシティbは秋学期に実施される。 担当者:李杏理講師 |
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】 |
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。 |
開講期 | 曜日時限 | ペア | 教員名 |
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1期 | 金1 | マシューズ ジョエル |