多様性社会に資する心理支援を実践するb(特別授業)
野田 淳子、大貫 敬一 
単位: 2 開講期: 2期 開講年度: 2020
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【授業表題】
多様性社会に資する心理支援を実践する b
【授業の形態・方法・内容】
1)授業の内容(目的)
 「多様性(ダイバーシティ)社会」の実現は企業や組織マネジメントにおいてはもちろんのこと、社会で幅広くその意義が注目される営みです。それは特別なことではありませんが、自分とさまざまに異なる人々関わり合って社会が成り立っていることを意識すること、どんな他者をも尊重し受容する関性を築くこと、そうした関係性が実現する社会・環境を造りあげること。“人を心理的に支援する”というこの授業のテーマは、あらゆる立場の人とのコミュニケーションを切り開き、新たな価値や創造性を生み出す原動力になるものです。最近ではロボットやAIといった「テクノロジー」の発展によって、介護や人事評価の在りかたが変化しつつあるとも言われ、人と人との支え合いや「人としてのケア」の本質が改めて問われています。
 2期の授業では、1期の「多様性社会における心理支援を学ぶa」を展開し、より幅広い領域やテーマについて多角的に取り組んで頂きます。「心理支援」に関して「家庭・学校・地域など社会における成長・発達」や「疾患・障害に伴う成長・発達」といった切り口から、例えば「青少年のための居場所づくり」や「がん患者とその家族のためのサポーティブ・ケア」など、心の拠りどころとしての具体的な支援の場や実践活動を紹介することを通して、「心理的支援」の実際についてより深く学んでいきます。このような学びは「社会人の基礎力」となるばかりでなく、多様化・複雑化する社会を生き抜くうえで重要な資質を培うと考えています。
 この授業では、ゲスト講師が授業を行う回も予定していますが、オンラインという授業の特性上、計画していたグループワークやプレゼンテーションは変更となります。しかし、どんな状況でも「言葉(文字)を通してきちんと、対等なコミュニケーションを行う」ことは、実社会に出てからも役に立つ経験・スキルであると考え、オンラインでの授業として改めて計画しました。その具体的な進め方については、次の2)授業の形態・方法をご覧ださい。 

2)授業の形態・方法(授業の進め方)
◆授業は遠隔授業でA型(配信された講義資料などに基づく学習)+B型(収録した動画のオンデマンド配信に基づく学習)という形で、両者を組み合わせて実施します。動画を視聴して頂く場合、映像は1回約30分~60分を目安とします。 
◆毎回の授業資料など教材は、manabaコースコンテンツにて一定の時間までにはアクセス可能になります。それ以後は、原則的には二期の間を通して、コースコンテンツからアクセス可能です。
◆毎週配信する授業資料(PowerPoint・Word・コピー画像やそのPDF形式)では、manabaを通して提出する課題が設定されています。課題によって提出期限が異なる場合もありますが、原則的には指定された期限までに、指定された方法で課題を提出してください。
◆これらの課題を提出期限内に提出することをもって、授業への出席とみなします。この授業は、毎回の授業内容が次の授業内容と深くリンクしているため、毎回の授業と課題に取り組み、提出期限内に提出することを重視しています。
◆授業では学生の主体的な参加を求めるため、授業に3分の2以上出席していることを単位取得の最低条件とします。したがって、遅刻や欠席が多いと単位取得が極めて難しいと心得てください。
◆授業に関する意見や質問がある場合は、個別コレクションで問い合わせをしてください。教員が返信をします。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
 この科目は、「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための科目です。
授業のテーマは、「関係性」(人と人との関係)を土台にした心 )をすることであり、それは支援される側だけでなく支援する側にとっても学びや成長があり、そうした経験を通して精神的成長につながるような支援を学ぶことを目標としています。
【事前・事後学習】
 事前学習として、次回の授業に関するテーマに関して、これまでどのような経験をし、どのような考えや思いを持っているかを振り返った上で授業に参加して下さい。具体的な宿題を課することがあります。事後学習としては、授業で学んだことを復習しまとめておいて下さい。「大学設置基準」上、この科目は「講義」科目にあたりますので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度となります。なお提出された課題の内容については、全体的なコメントをフィードバックします。 
【授業計画】
第1回  ガイダンス
第2回  心理支援とは  (1)心理支援の基礎的な考え方
             -サポート・システム、セルフヘルプ、自立と依存
第3回  心理支援とは  (2)心理支援の基本的方法-アサーション
第4回  心理支援とは  (3)心理支援の基本的方法-共感と傾聴・応答
第5回  子どもと心理支援(1)社会的養護という考え方
第6回  子どもと心理支援(2)児童養護施設での支援
第7回  家族と心理支援  ひきこもりと心理支援:映画“home”から考える
第8回  青少年の居場所 (1)青少年の居場所支援
第9回  青少年の居場所 (2)青少年での居場所 キートス(Kiitos)の活動
第10回 疾患・障害と心理支援(1)障害とともに生きる
第11回 疾患・障害と心理支援(2)聴覚障害から見た世界
第12回 疾患・障害と心理支援(3)認知症の人への支援
第13回 疾患・障害と心理支援(4)がん患者への相談支援
第14回 疾患・障害と心理支援(5)マギーズ東京-がん患者と家族のための心理支援
第15回 まとめのセッション
 
【評価方法】
◆平常点評価100パーセント。①毎回の授業で設定される「課題(宿題・ワーク・小レポートト等)」を掲示板等に提出し、意見交換を行うといった授業の参加状況(80点)と② 「最終レポート」(20点)の内容を総合的に判断して、100点満点で評価します。
◆「授業の方法」でお知らせした通り、①「課題」は、毎週配信する授業資料で設定されます。課題によって提出期限が異なる場合もありますが、原則的には指定された期限までに、指定された方法で課題を提出してください。②「最終レポート」の提出期限や内容は、第14回までの授業でお知らせします。
◆これらの課題を提出期限内に提出することをもって毎回の授業へ参加したとみなし、平常点として成績評価を行います。先にも述べた通り、期限内に課題の提出という形で授業に毎週出席し、授業の3分の2以上に出席していることが単位取得の最低条件です。
【教科書】
使用しません。
【参考文献】
参考資料、文献やURL等を適宜紹介します。
【特記事項】
・授業の進め方や内容が大きく変更になりましたので、自分の学びたいことと合っているかどうかを再度確認してから、履修してください。
・講義資料を許可なく履修生以外に配布したり、動画を視聴させたりしないでください。
・授業やそこで言及された個人的な内容に関しては、ゲスト講師による講演も含めプライバシーを守るために、授業外の人には他言しないでください(守秘義務の厳守)。
・意見を述べる時には、互いの人権を尊重するよう、配慮してください。
・履修者の学習状況によっては、授業の方法やシラバスの内容をさらに変更する可能性もあります。その場合は、「コースニュース」等で連絡します。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 火4 野田 淳子