| 多文化主義と現代社会ｂ（特別講義） | ||||||
| 李 杏理 | ||||||
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| 【授業表題】 |
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| 多文化主義と現代社会(B)――ジェンダーと人種―― |
| 【授業の形態・方法・内容】 |
| 本講義は、差異が自然化されることで差別が維持されてきた歴史的プロセスと社会関係について、ジェンダーと人種の問題から概説する。 ジェンダー概念は、普遍的かつ中立的とされる「市民」「国民」「労働者」「人権」という枠から取りこぼされた問題を明らかにしてきた。「女」と「男」の差異化がどのような規範と「例外」をもたらしているのか、ジェンダーとセックスの理論的変遷から見ていく。また、身体、家族、労働、暴力といった社会事象にどのようなジェンダー差が現れているかを分析する。 さらに、非対称な差異をもたらす社会関係にはジェンダーのみならずセクシュアリティ（性的欲望のあり方）、階級／階層、人種／国籍、能力／障害といった要因が存在する。これらの差異は歴史的にどのように意味づけされ、現代社会に影響を及ぼしているのか。ジェンダー研究および社会科学の領域横断的な知見と取り入れ、市民運動、国際的な動向を踏まえて、多文化主義／ダイバーシティ（多様性）に関するクリティカル（批判的）な思考を養う。 |
| 【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】 |
| 1．ジェンダー研究の知見を習得する。 2．現代社会の〈性〉にまつわる諸現象と関連法について基本的な知識を備える。 3．性と人種にかかわる諸現象が「いかにして成り立っているのか」を、社会的・歴史的背景はもちろん、それを成り立たせている個々人の固定観念や欲望も分析・理解する方法を身につける。 4．表面的な知識で分かった気になることは無知よりも悪いことがありうる。理論的思考力と批判的な思考を文章化できることが単位修得の要件。 この科目は、「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための科目です。 期末試験について、全体講評のフィードバックを行います。 |
| 【事前・事後学習】 |
| 事前：教科書の当該部分を熟読すること。「ジェンダー」「男女雇用機会均等法」「ハラスメント」「セクシュアル・マイノリティ」「LGBT」「入国管理」「在日朝鮮人」などについて、関連する新聞記事や文献などに可能な限り目を通すこと。 事後：講義で配布された資料の統計データおよび引用文献を再読し、理解できなかった点は次回質問すること。とくに関心のある問題については期末試験の論述で参照するため、引用元の文献を通読すること。 「大学設置基準」上、この科目は「講義」科目にあたりますので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は４時間程度となります。 |
| 【授業計画】 |
| 1．「人間」とは何か？――人権思想とジェンダー・バイアス 2．ジェンダーとは何か？――性の多様性1 3．ジェンダーとは何か？――性の多様性2 4．身近にどのようなジェンダー規範があるか？――家族とジェンダー 5．性差別はなくなったのか？――雇用とジェンダー 6．ウーマン・リブ／メンズ・リブとは何か？――歴史的プロセス 7．クィアとは何か？――異性愛規範を問う 8．性の自己決定権とは？――性暴力・DV・性犯罪 9．フェミニズムは何を周辺化してきたか？――理論潮流と第三世界フェミニズム 10．生まれにもとづく差別はなくなったのか？――レイシズムと外国人差別 11．国民とは何か？――近代日本とエスノセントリズム 12．植民地主義とは何か？――ポストコロニアリズムと日本 13．「慰安婦」問題が問うたものとは？――戦争・植民地主義とジェンダー 14．優生思想とは何か？――能力・障害とジェンダー 15．「多様性」を保障するとは？――差別廃絶をめぐる世界の動き |
| 【評価方法】 |
| 期末試験（70％）、中間レポート（15％）、コメントシート（15％）で評価する。出席点はカウントしない。 |
| 【教科書】 |
| 大越愛子、倉橋耕平『ジェンダーとセクシュアリティ―現代社会に育つまなざし』昭和堂、2013年。ほか講義内で関連文献・資料をプリントで配布。 |
| 【参考文献】 |
| ベル・フックス『ベル・フックスの「フェミニズム理論」―周辺から中心へ』野﨑佐和ほか訳、 あけび書房、2017年。 ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル 新装版 ―フェミニズムとアイデンティティの攪乱―』竹村和子訳、青土社、2018年。ほか講義内で提示。 |
| 【特記事項】 |
| ・人種に関しては、前期（J.Matthews氏「多文化主義と現代社会(A)」）のグローバルな視点を踏まえ、後期は日本のなかの民族・人種問題として在日朝鮮人を事例に見ていく。 ・講義中、性描写・暴力描写を含む映像資料を使用する。（途中入退出可） |
| 【開講期・曜日時限・ペア・教員名】 |
| 開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。 |
| 開講期 | 曜日時限 | ペア | 教員名 |
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| ２期 | 火１ | 李 杏理 |