メディア制作ワークショップ(4単位)
田村 和人 
単位: 4 開講期: 2期 開講年度: 2019
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【授業表題】
映像制作(初級)
【授業の形態・方法・内容】
この授業は、ワークショップ科目です。映像制作の基本を習得するために、個人あるいはグループでの実技を中心とします。ただし、その前提となる知識については一部講義のかたちで行います。この科目は、担当教員のテレビ局での実務経験を踏まえ、また、新たな制作手法も取り入れながら、映像制作の基本を学ぶものです。
もっとも、ケータイやスマホでもビデオ撮影ができますし、動画をソーシャルメディアにアップロードすることは日常的な行為ですから、おそらく多くの人が映像撮影の経験を持っているでしょう。TikTokのようなアプリを活用して、それなりに凝った動画を制作している人もいるかもしれません。
けれどもこの演習では、ソーシャルメディアの「素人ビデオ」を超える、プロクオリティの映像制作能力の習得を目指します。例えば、企業ホームページ上の広報ビデオといったような映像です。
ネット上でのビデオの増大など、実社会やプライベートで映像を制作する機会は拡大しています。この演習で身につけた能力で、「外部の力を借りることなく、自分自身で自信を持って映像を制作できる」ようになってもらいたいと思います。
そして、「自分自身で制作可能になる」という観点から、自身のスマホで撮影してもらい、編集もiMovie等の初心者用の無料アプリを使用する予定です。(実は、これらはすでにプロの領域にまで進化しています。もちろん、メディア工房にある、より上位の機器やアプリケーションを使用しても構いません。)

(進め方)
(1)スチール撮影
スチール撮影で「構図」や「光」に意識を集中します。映像は連続したスチールですので、映像制作能力に直結しています。また、スチールなどの静止画像は映像制作にあたっての重要な素材の一つとなります。
(2)映像撮影およびカット編集(シンプルに映像をつなぐこと)
映像制作に着手します。映像をつなぐことで新たなコンテンツの意味や価値が生じることを感じてもらいます。
(3)ミュージックビデオ制作
より高度な編集技法を学んだ後、課題曲を用いてミュージックビデオの作成を行います。これは、音声に労力を費やすことなく映像だけに集中できるメリットがあります。
(4)企業広報映像制作
以降は数名でのグループ活動とし、架空の企業の広報映像を想定した、いわゆる「硬い」映像の制作を学びます。実社会では最も必要とされる能力かもしれません。写真やグラフといった素材準備にも工夫が必要です。
(5)スタジオ撮影
それまではカメラ一台で撮影した映像およびその編集による制作でしたが、スタジオでは複数台のカメラ映像をスイッチング(映像選択)しながら制作することが一般的です。対談、音楽演奏、ドラマ、ダンス、お笑い、いろいろな企画が可能ですが、グループで議論しながら作品を企画・制作してもらいます。
(6)新しい映像
VRという新しい映像様式を自分たちでも制作してみます。また、空撮、クレーン、レールといった従来の撮影技法を圧倒的な低コストで実現するドローン撮影も経験します。
(7)最終作品
それまでに学んだノウハウを活用して、グループで企画を練った上で最終映像作品を制作してもらいます。一年間の集大成となる映像が期待されます。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
(DP5)映像作品を企画・制作・公表できる能力の獲得を到達目標とします。
【事前・事後学習】
事前学習として、演習で利用する写真や映像の撮影や企画書の作成が必要となります。(4時間程度)
事後学習として、制作の仕上げ作業、あるいは演習で学んだスキルの高度化を目指した自習が必要となります。(4時間程度)
【授業計画】
第1回:イントロダクション 〜授業計画の解説 〜機材やアプリ等の確認
第2回:スチール撮影(光と構図、被写界深度、写真加工等)
第3回:映像撮影とカット編集
第4回:作品発表〜より高度な編集技法
第5回:ミュージックビデオ制作(1)
第6回:ミュージックビデオ制作(2)〜作品発表
第7回:グループ活動・広報用ビデオ制作(1)
第8回:グループ活動・広報用ビデオ制作(2)〜作品発表
第9回:グループ活動・スタジオ撮影(1)
第10回:グループ活動・スタジオ撮影(2)〜作品発表
第11回:新しい映像・VR
第12回:新しい映像・ドローン(1)
第13回:新しい映像・ドローン(2)
第14回:グループ活動・最終作品制作(1)
第15回:グループ活動・最終作品制作(2)〜作品発表
【評価方法】
出席を前提として、作品制作への積極的な活動を重視し、総合的に評価します。たびたび実施される作品発表では、作品のテーマや工夫した点などを明確に述べてください(100%)。演習内での作品発表に際し、その都度、フィードバックをします。
【教科書】
適宜指示します。
【参考文献】
映像制作のノウハウ本は多数あります。適宜参照してください。
【特記事項】
田村和人の演習履修者は、本ワークショップとほぼ同内容となるので、他のワークショップを履修することでメディア制作能力の幅を拡大してもらうことを強く奨励します。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 木1 木2 田村 和人