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 インターネットメディア論/ソーシャルメディア論 | ||||||
佐々木 裕一  | ||||||
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【授業表題】 |
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ソーシャルメディア利用がはらむユーザーリスクと社会リスク |
【授業の形態・方法・内容】 |
この授業は講義形式の授業である。ただし学生に書いてもらった授業内レポートについては、随時フィードバックを行っていく。 一部の学生が感じているスマートフォンでのソーシャルメディア利用にまつわる懸念、すなわち情報過多、そしてアルゴリズムによる「情報の偏食」がもたらしうる社会の分断や格差といった問題を検討する。この授業で特徴的なのは、その時にサービス提供者の収益モデルの視点を取り入れている点である。 スマホ+アプリという情報環境、3000万人以上が月に一度は投稿を行うソーシャルメディアの隆盛という時代しか知らない学生にとって、現在の状況を相対化することは難しいであろう。したがって本講義では、PC+ウェブブラウザという情報環境で誰かのためになる有益な「情報」が投稿されていた時代から、身内とのおしゃべりやボタンのワンタップでも可能な超低コストな「コミュニケーション」、また「情報」であってもそれが小遣い稼ぎのために投稿される時代への歴史を振り返る。その上で前述のような将来へ向けての課題(リスク)を解説する。 担当教員は、マーケティング・コミュニケーション立案、ビジネスプランニング、トップマネジメント経営コンサルティングなどの実務経験を有しているので、利用者の立場のみならずサービス提供側の意向も踏まえた多面的なソーシャルメディア理解が進むであろう。 |
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】 |
この授業では、コミュニケーションを支えるメディアに関する知識と情報を分析・評価する能力を養う。具体的には、インターネットで提供される各種サービスの特徴や利用されるデバイス、ユーザーインターフェイスからそれらが利用者にもたらす作用を分析する能力を養う。 |
【事前・事後学習】 |
事前学習は日常的には使っていないものも含めて様々なネットサービスに授業時間程度以上の時間をかけてサービス事業者の立場になって触れること。すなわちどのようにユーザーの利用頻度を上げ、滞留時間を伸ばす仕掛けがあるかを考えながら触れること。事後学習は授業内で説明した専門用語について調べ、理解し、かつ覚えること。授業時間程度以上の復習が求められる。 |
【授業計画】 |
授業では以下のようなトピックを扱う予定である。また終盤においてゲスト講師による授業を1回予定している。 第1回 アーキテクチャと収益モデルの関係 第2回 インターネットの技術と思想、そしてウェブの現在 第3回 20世紀の日本のユーザーサイト 第4回 2001年...ユーザーサイト開設動機と収益実態 第5回 2005年(1)...チープレボリューション、ブログとmixi、当時の投稿動機 第6回 2005年(2)...新しい起業家、ソーシャルメディアの収益モデル 第7回 2010年(1)...時間を消費する利用者、ツイッターとリアルタイムウェブ 第8回 2010年(2)...オリジナル投稿の黄金期、ソーシャルゲームの狂乱 第9回 2015年(1)...サービスの寡占とウェブの身内化、「調べる」から「見る」へ 第10回 2015年(2)...商業化がもたらす投稿内容への影響、個人課金とCtoCプラットフォーム 第11回 中期的なソーシャルメディアの未来 第12回 将来への課題(1)...メディア利用と機会格差 第13回 将来への課題(2)...情報過多とアルゴリズム、アテンション獲得と事実 第14回 将来への課題(3)...GAFAなどの巨大プラットフォーマーと人工知能社会 第15回 情報ネットワーク社会の未来とその設計 |
【評価方法】 |
以下の二つで総合評価を行なう。 ・約8回の授業内小レポート(40%) ・期末テスト(60%) |
【教科書】 |
佐々木裕一著, 『ソーシャルメディア四半世紀』(2018), 日本経済新聞出版社 |
【参考文献】 |
ティム・バーナーズ・リー著, 高橋徹訳, (2001)『Webの創成』, 毎日コミュニケーションズ ローレンス・レッシグ著, 山形浩生訳, (2007)『CODE Version 2.0』, 翔泳社 イーライ・パリサー著, 井口耕二訳,(2012)『閉じこもるインターネット』, 早川書房 北村智・佐々木裕一・河井大介著, (2016) 『ツイッターの心理学:情報環境と利用者行動』, 誠信書房 スコット・ギャロウェイ著, 渡会圭子訳, (2018)『GAFA 四騎士が創り変えた世界』, 東洋経済新報社 |
【特記事項】 |
佐々木ゼミの学生は2年時(編入生は3年次)に履修すること。 |
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】 |
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。 |
開講期 | 曜日時限 | ペア | 教員名 |
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1期 | 火5 | 佐々木 裕一 |