言語学a
小田 登志子 
単位: 2 開講期: 1期 開講年度: 2018
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【授業表題】
理論言語学入門
【授業の形態・方法・内容】
この授業は講義科目です。毎回の授業で出席カードを配布します。受講生は問題の答えや質問などを記入して、授業の最後に提出します。

この授業では、「人間はなぜことばを使うことができるのか」という問いに対して、理論言語学の見地から考えます。人間の脳の言語野には「普遍文法」と呼ばれるすべての人間に共通の先天的な知識があり(言語の生得説)、我々はそれを用いてことばを使っていることを学びます。具体例として、主に日本語と英語のデータを用います。すると、一見全く異なるように見える日本語と英語も、実はお互いに似通った構造を持つことが分かります。

理論言語学は、その内容が難解なこともあって、一般にはあまり知られていません。この分野の創始者である言語学者ノーム・チョムスキーのことを政治活動家だと思っている人もいます。そこでこの授業では、一般学習者のために、理論言語学が何を目指しているのか、できるだけ易しい言葉で紹介します。

また、教科書の内容以外にも、世界中で話されているいろいろなことばを紹介します。さらに、人間以外の動物のコミュニケーション能力との比較を通して、人間のことばの特徴について考えます。

毎回の授業の冒頭に「質問コーナー」を設け、受講者から寄せられることばに関する幅広い質問にお答えします。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
この科目は「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための授業です。具体的な到達目標は以下の通りです。
・「言語の生得説」とは何か説明することができる。
・「句構造規則」と呼ばれるルールを用いて「樹形図」と呼ばれる文の構造を表す図を描くことができる。
・身の回りのことばに関心を持つことができる。
【事前・事後学習】
「大学設置基準」上、この科目は「講義」科目にあたりますので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度となります。具体的な内容は以下の通りです。
・教科書の指定された部分を読む。
・授業で行った練習問題が自分で解けるように復習する。
・日常生活の中でことばに関する疑問点を見つけ、授業で質問する。
【授業計画】
(変更の可能性あり)
第1回 ガイダンス・映像資料「言語学」
第2回 映像資料「言語学」の解説・人間はことばを持つ・ことばは人間のみが持つ能力
第3回 なぜ文法性の判断が同じなのか・ことばの生得説
第4回 構造を表す樹形図・どの樹形図がより妥当か
第5回 あいまいな表現・いろいろなことばの樹形図
第6回 句構造規則:節点に名前をつける・構造を生むコマンド
第7回 句構造規則:限られた句構造からできるたくさんの文
第8回 危機言語を追う人々・ゴリラにことばを教えたら(映像資料)
第9回 句構造規則:いろいろなことばの句構造規則
第10回 再帰性:「振り出しにもどる」の命令
第11回 再帰性:「マトリョーシカ」の構造
第12回 新語を追う人々(映像資料)
第13回 いろいろなことばに見る再帰性・規則によって与えられる自由
第14回 人間のことばの過去と未来
第15回 復習
【評価方法】
定期試験期間中に筆記試験を行う。  
筆記試験について、全体講評のフィードバックをManabaを通じて行う。
【教科書】
1冊指定する予定。詳しくは授業で指示する。
【参考文献】
授業で指示する。
【特記事項】
・「言語学a」と「言語学b」の内容は互いに独立しているので、どちらから履修しても良いが、できれば「言語学a」から履修すると良い。
・日本語以外のことばを話す外国人留学生の履修を歓迎する。教科書は留学生にとっても読みやすいものを指定する予定。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
1期 水1 小田 登志子