教養入門(水1)
新正 裕尚、野田 淳子、徐 京植 
単位: 2 開講期: 1期 開講年度: 2017
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【授業表題】
批判的に考える
【授業の形態・方法・内容】
 「教養」は大学での学習の基礎であるだけでなく、自律的で自由な人格を形成するための土台でもある。この授業では、いま求められている「教養」の意味について、各教員の問題関心や専門領域を切り口として論じる。受講者は、講義の内容を通じて、今後、大学や社会との接点で自分なりに考えるきっかけ作りと訓練にあててほしい。 
 担当教員とそれぞれの講義テーマは、以下を予定している。
*( )内は当該教員が本学で担当する主な授業名、もしくは主な専門領域を表す。

1.新正裕尚(地球の科学)
現代社会は科学・技術に支えられており,科学・技術の進歩はマスコミ等の報道などでもしばしば大きく取り上げられる。一方で科学の装いを持って根拠のない風説が流されることもある。われわれはそれらにどの様に向き合うべきかを具体例を示しながら共に考えたい。また、情報が印刷物よりデジタル媒体で流通するようになってきたことに伴う、それらとのつき合い方についても考える。

2.徐 京植(芸術学・人権論)
大災害とその表象について。2011年の東日本大震災と福島第一原発事故は私たちに大きな衝撃を与えた。その衝撃は、事件そのものに起因することはもちろんだが、同時に、そのような「想像を絶する」「言葉にできないほどの」事件をどう表象するのか、そもそもそれは表象可能なのかという深刻な問題をも私たちに提起している。だが、かりに表象が不可能だとすれば事件を他者に伝えることもできず、事件の再発を防止することもでき ないことになる。ここで、私たちの理解力、想像力、表現力、すなわち「教養」が問われている。この講義では、社会に生起する「事件」とその表象の問題を考えてみる。

3.野田淳子(心理学)
『待機児童ゼロ』や『早期教育』など、世の中には耳触りの良いフレーズが溢れている。しかし、その実現が子どもの心や家族関係の育ちにどう関わるのかといった問題は見逃されがちである。本講義では、そうした社会的なトピックスの背景にある人の心や行動、その変化のしくみを客観的に検討する心理学の方法について学ぶことを通して、心が育つ環境はどうあるべきかという問題にアプローチする。私たちは誰しも自らが信じるパーソナル・セオリーを有しているが、そうした『主観的常識』から一歩引いた視点から『常識とは何か』を問うことによって、新たな視点との対話の可能性を探っていきたい。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
この科目は、「教養」に関する「基本的な知識と能力」を身につけるための科目である。

1.大学における専門課程の学習の土台を成す「教養」の基本的な考え方、活かし方とその重要性を理解する。
2.「教養」が現在の重要な社会的課題と密接に結びついていることを理解し、学問と社会のかかわりについて認識する機会とする。
【事前・事後学習】
 各担当教員が講義中に配布した資料については、次回までにその資料全体を受講者各自がもう一度通読し、前回講義内容を自分なりに整理しておくことを最低限の復習課題とする。また次回講義用に配布した資料についても、同様に次回講義までに通読をして授業に臨むこと。
なお、「大学設置基準」上、この科目は「講義」科目にあたるので、授業時間外に行う事前事後学習に要する時間は4時間程度となる。
【授業計画】
3つのクラスに分かれるが、3クラス合同で授業を行うこともある。

・第1回は、3クラス合同でオリエンテーション。
・第2回以降は、3つのクラスに分かれ、3名の教員が4回ずつ講義を行う。担当教員順はクラスにより異なる。
・その間に、ゲスト講師の講演を3クラス合同で聞く。
・最終回(第15回)では、全体のまとめとして、3クラス合同で教場レポートを課す。
・クラスごとの詳細な授業日程については、第1回目のオリエンテーションで周知する。

以下は、あるクラスの例である。

第1回 オリエンテーション (3クラス合同)
第2回 新正担当1回目:「科学記事」とのつき合い方
第3回 新正担当2回目:「疑似科学」とのつき合い方(1):健康情報
第4回 新正担当3回目:「疑似科学」とのつき合い方(2):占い・予言・予知
第5回 新正担当4回目:「デジタル」とのつき合い方
第6回 徐担当1回目:「東日本大震災と福島原発事故」映像で振り返る
第7回 徐担当2回目:「同心円のパラドクス」という問題を考える
第8回 徐担当3回目:「表象の不可能性」という問題を考える
第9回 徐担当4回目:「共感・共苦の可能性」という問題を考える
第10回 ゲスト講師講演 (3クラス合同)
第11回 野田担当1回目:心理学における“実証科学”アプローチ(血液型性格判断は妥当か)
第12回 野田担当2回目:「早期教育」について考える(発達早期の二ヶ国語学習は何をもたらすか)
第13回 野田担当3回目:「経済格差と知的能力」について考える(知的能力の発達は経済格差と関連するか)
第14回 野田担当4回目:「待機児童」問題について考える(保育所の待機児童を今すぐ解消すべきか否か)
第15回 まとめ・教場レポート (3クラス合同)
【評価方法】
1.平常点:3人の担当教員がそれぞれの担当授業においてリアクションペーパー、小テスト、レポート等を課し、その成績を25点満点で評価する。(25点×3)
2.ゲスト講師の授業のレポート等および、最終回に教場で行うまとめレポート(計25点)
1と2を合算して、100点満点で評価する。
*詳細な評価方法については、第1回目のオリエンテーションで周知する。
【教科書】
講義全体を通じた特定の教科書は指定しない。
【参考文献】
講義内で適宜紹介する。
【特記事項】
授業中の私語、遅刻、途中退席など、講義の進行を妨害し、他の履修生の学習を妨げる行為については厳格に対処する。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
1期 水1 新正 裕尚
1期 水1 徐 京植
1期 水1 野田 淳子