日本史Ⅰa
守田 逸人 
単位: 2 開講期: 1期 開講年度: 2015
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【授業表題】
土地と人・社会との関係史(古代・中世)
【授業の形態・方法・内容】
前近代の日本列島では、農耕社会を基軸としていたため、土地こそが生産の基盤となった。近年、日本の古代~中世土地制度史を中心とする社会経済史の分野で重大な実証研究が次々と出され、前近代の日本社会のイメージ・歴史認識が大きく変わった。講義では、こうした研究成果をもとに、おもに古代~戦国時代にわたる土地と人々・社会との関係史を焦点に講義し、各時代の歴史的位置を見極める。その際、中学校・高等学校の歴史教科書を比較の題材としながら、歴史教育や教科書の問題点も指摘しながら授業を進めていく。画像資料等を多く用いることを心がけたい。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
土地と人・社会との関係史をみることで、日本の原始・古代~中世社会の歴史認識を深め、とくに古代~中世、中世~近世の変化あり方を動態的に学ぶ。その際、社会の様々な社会集団(朝廷・武家・寺社など)のそれぞれの関係性に目を配り、日本列島の王権のあり方や社会の変化が何によってもたらされたのか、その本質を学ぶ。  
【事前・事後学習】
高校日本史Bの教科書の知識を前提とするので、必ず把握しておくこと。
  
【授業計画】
1.「土地と人・社会との関係史(古代・中世)」への招待
2. 原始社会の土地と人々 
3. 令制以前の土地と人々
4. 8世紀の土地支配と社会 ―律令国家は日本列島をどこまで把握していたのか?―
5. 9~10世紀の土地支配と社会 ―王臣家の地域進出―
6. 11世紀の土地所有と社会 ―地域の領主の存在形態―
7. 12世紀の土地制度と社会 ―中世荘園制の成立と社会の「しくみ」の転換―
8. 13世紀の土地支配と社会(1) ―武家・武家領の形成過程―
9. 13世紀の土地支配と社会(2) ―地頭は本当に侵略者か?―
10. 13世紀の土地支配と社会(3) ―永仁の徳政令はなぜ「徳政」なのか?―
11. 14世紀の土地制度と公武関係 ―なぜ南北朝内乱で公武関係が逆転するのか?―
12. 14世紀の土地所有と社会 ―戦乱のなかの土地経営と地域防衛―
13. 戦国大名の形成過程 ―戦国大名はなぜ必要になったのか?―
14. 15~16世紀の土地支配と社会 ―戦国大名が変えた社会のしくみ―
15. 総括:土地と人・社会との関係史 -古代・中世社会の位置-
【評価方法】
①レポートの内容(2回程度実施する)30%
②期末テストの結果 70%
【教科書】
毎回レジュメを配布する。
【参考文献】
『荘園史研究ハンドブック』(東京堂出版、2013年)
ほか、適宜講義中に指摘する。
【特記事項】
歴史を勉強する本質は、知識を積み重ねることではなく、社会や人間の生き方、その変化について考える力を身につけることです。歴史を様々な視野から見つめることによって、驚きを感じ、その重要さを学んで欲しいと思います。
なお、授業計画は、進行状況により、若干の変更もあり得ます。 
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
1期 金3 守田 逸人
1期 金4 守田 逸人