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 日本史Ⅰb | ||||||
綱川 歩美  | ||||||
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【授業表題】 |
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近世文化史-享受される人とモノの世界- |
【授業の形態・方法・内容】 |
近代以前、とりわけ江戸時代の文化とその状況を通じて、それらを取り巻く政治や社会のありようを学ぶ。 一般に文化や文化史というと「日本の伝統文化」などと形容される割に、具体的なイメージを豊富に結びにくいのではないだろうか。それは思想・芸術・文芸、それぞれの分野の創造者たち(いわば偉大なる先人たち)によって達成された内容のみに力点があったためである。もちろん、それは過去に築かれた文化の頂点的営みであることは間違いないが、その時代の実際の様子を問われると心もとない。 そこで本講では、近世の文化を受け手の方から捉える視点を提示したい。文化の革新性や斬新さではなく、多くの人々がすでに存在した思想・芸術・文芸を享受していく点に着目することである。近世の身分制社会に生きた個々の人々が、日々の生活の中で享受(時に発信者にもなる)していく動きの総体から近世の文化動向を考えていく。こうした動きは、近世人の生き方そのものに関わって、当時の社会や国家のあり方を知ることにもなろう。 そして近世人の文化的営みから、時代を超えた生活者としての側面と、近世という現在とは異質な時代の側面とを想像することができるようにしたい。最新の研究成果の紹介を交えて講義するので、受講者には関心をもって積極的に講義に臨むことを希望する。 |
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】 |
文化を享受する存在への着眼を通じて、近世の思想・芸術・文芸のありようを理解するとともに、それを擁する国家や社会の構造的特質との関連を引き出せるようにする。 |
【事前・事後学習】 |
1.毎回の配布資料を講義の内容を踏まえて、次回の講義までにもう一度通読すること。 2.講義の中で挙げた参考文献のうち、最低一つは通読してレポートに備えること。 |
【授業計画】 |
*以下にタイトルと大まかな内容を示す。講義の進行等の度合いによって一部変更の可能性がある。 1,ガイダンス 1部 文化史的にみる中世から近世 2,宗教者が紡ぐ文化-祭礼にみる文化 3,東アジア世界の中の日本-「鎖国」前夜の文化状況 4,書物の時代①-書物文化の幕開け 2部 "泰平の世"と文化/17世紀末~18世紀 5,近世国家と社会の仕組み 6,"戦後文化"としての元禄文化 7,"サムライ"と学問-泰平に生きることの意味 8,書物の時代②-近世出版の隆盛と統制 9,政治改革と学問・文化 3部 政治・社会の変化と文化/18世紀末~19世紀 10,近世の「科学知」と「宗教知」-博物学・本草学の世界 11,書物の時代③-娯楽的な読書の広がり 12,旅する近世人-諸国参詣の「行動文化」の浸透 13,“ネコも杓子も”学問-学問奨励と学問不用論 14,幕末の情勢と風刺文化-民衆の政治意識 15,「漢学知」の行方-近代国家へ流れ込む文化 |
【評価方法】 |
1.授業参加点(40%)毎回の講義のレスポンスシートの内容を評価対象とする。 2.ミニレポート(30%)最後の講義日までに、講義中に挙げた参考文献から各自選びレポートを作成する。 3.期末定期試験(30%)試験方法・出題は授業中に指示する。 上記をあわせて評価する。 |
【教科書】 |
講義概要の資料をプリントで配付する。 |
【参考文献】 |
講義概要の資料に添付、あるいは講義中に適宜指示する。 |
【特記事項】 |
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】 |
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。 |
開講期 | 曜日時限 | ペア | 教員名 |
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2期 | 金3 | 綱川 歩美 | |
2期 | 金4 | 綱川 歩美 |