総合教育ワークショップ(哲学)
麻生 博之 
単位: 2 開講期: 2期 開講年度: 2015
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【授業表題】
西洋哲学の古典を精読する
【授業の形態・方法・内容】
 西洋哲学のいくつかの「古典」を、できるだけ頭と手を動かしながら、じっくりと読んでみる。(なお、「古典」とは、くりかえし読み継がれ、新たな思索の源泉となってきたテキストを指す。したがって、古い時代のテキストだけを指すわけではない。)
 ところで、当然のことながら、限られた授業時間のなかで、それぞれのテキスト全体を通読することはできない。それゆえこの授業では、各々の古典から、そのテキストを特徴づける主な論点や考え方が示されている印象的な個所を選び出し、その個所を丁寧に読み込むという形をとりたい。そしてできるかぎり、その個所で取り組まれている問題を、参加者自身が自ら考える機会を設ける。そのため、授業中の小レポートや期末のレポートなどで、参加者にはなるべく多く頭と手を動かしてもらう。また、ワークショップという少人数授業の形式を活かし、報告や発表の機会も設けたい。
【到達目標及びディプロマポリシーとの関連】
・西洋哲学のいくつかの古典を精読し、その背景的な知識を身につけるとともに、そこで問題となっている事がらについて思考することにより、自分の考え方やものごとの見方を問い直し、現実に対する新たな視点を獲得する。
・テキストの読解やレポートの作成等を通じて、込み入った論理的文章を読みこなす力や、説得力のある議論を構成する力を身につける。
【事前・事後学習】
・次回の授業で扱うテキストについて基本的な事がらを調べておくこと。また、できるだけ、その回の授業で扱ったテキスト(および関連する文献)を読み返し、改めて自分の考えを整理してみること。
・報告やレポートの課題がある場合は、レジュメやレポートを作成すること。
【授業計画】
・基本的には、以下のような内容・進め方を予定。(ただし、計画を変更する場合もある。)
・第1回:ガイダンス(必ず出席すること)
・第2回~第14回:テキストの精読
 毎回の進め方としては、①その回に扱うテキストについての背景的情報の確認、②抽出した個所の精読、③難解な概念等についての説明、④問題となっていることがらの確認、等を行ったうえで、⑤基本的には毎回、その回に扱った問題について簡単なレポート(小レポート)を書いてもらう。また、毎回の授業中、および学期の途中・最後などに報告・発表等を行ってもらうことがある。
 なお、テキストとしてひとまず予定しているのは、プラトン『国家』、アリストテレス『ニコマコス倫理学』、アウグスティヌス『告白』、デカルト『方法序説』、ロック『人間知性論』、ヒューム『人間本性論』、カント『純粋理性批判』、ヘーゲル『小論理学』、マルクス『ドイツ・イデオロギー』、ニーチェ『善悪の彼岸』、ハイデガー『存在と時間』、サルトル『存在と無』、ホルクハイマー/アドルノ『啓蒙の弁証法』、レヴィナス『全体性と無限』、デリダ『歓待について』、等々である。(ただし、思想家・テキストともに、少なからず変更する可能性がある。)
・第15回:まとめ等
【評価方法】
基本的には、小レポート等の授業内の課題(60%程度)、期末レポート・報告(40%程度)等を総合して評価を行う。
【教科書】
最初の授業(ガイダンス)で説明する。
【参考文献】
最初の授業、および各回の授業中に、必要に応じて提示する。
【特記事項】
難解なテキストをいわば「汗をかきながら」読んでもらうことになります。したがって、授業の「内容」に強い関心を持っていることが、履修の実質的な条件となります。
【開講期・曜日時限・ペア・教員名】
開講期・曜日時限が下記の表で示されていますが、履修できる曜日時限は学年・学科等により異なる場合があります。自分の「履修登録」画面に表示される曜日時限のみ履修登録することができます。

開講期 曜日時限 ペア 教員名
2期 水2 麻生 博之